日蓮正宗問題研究9 – 日蓮正宗・阿部日顕法主「シアトル買春事件」の真相
(2)クロウ夫人を“異常者扱い”した宗門

 当時、日顕法主の買春事件を知ったクロウ夫人は、大きなショックを受けました。しかし、宗門高僧の大破廉恥事件を公表すれば、内外の波紋は大きく、宗史に一大汚点を残しかねない事態となります。結局、クロウ夫人は以後約30年間、「シアトル事件」を一人胸の内にしまい込みました。そのおかげで、阿部教学部長は宗務院から何の処分も受けず、16年後(1979年)には宗門最高位の法主となりました。いわば、日顕法主にとってクロウ夫人は僧侶生命を守ってくれた「命の恩人」でした。

 ところが、平成2年暮れ、宗門問題(突然の池田名誉会長の総講頭罷免と学会攻撃)が起きました。事態の進展に思い悩んだクロウ夫人は、日顕法主に対し、学会との対話を願い、直訴の手紙を送りました。しかし日顕法主は、この手紙を黙殺しました。その後、次第に宗門の悪弊が明るみに出るにつれ、クロウ夫人としてもすべての元凶は日顕法主にあることを知りました。「このまま黙っていては、今世の私の使命は果たせない」。クロウ夫人は、平成4年6月、事件を語る決意をしたのです。この勇気ある告発に対し、日顕法主らはクロウ夫人をウソつき呼ばわりし、著しく同夫人の名誉を毀損しました。宗門機関紙『大白法』(平成4年7月16日・8月1日付)は、「捏造」「邪悪な策謀」「偽証」等と攻撃、さらに、宗門機関紙『妙観』(平成4年8月15日付)では、次のように中傷を行いました。

 ①クロウ夫人の発言を偽証と決めつけ、「シアトル事件」を学会とクロウ夫人の共同謀議とした。

 ②「精神病院に入院している重度患者の中に、多くの学会員が見られる」などとして、「この婦人が(中略)精神に異変をきたし、誇大妄想的に“事件”を作り上げてしまった」と非難した。

 ③「婦人の相でウソがわかる!!」という小見出しを掲げ、“クロウ夫人の写真を見れば「シアトル事件」の虚構はいとも簡単に見破られてしまう”と中傷し、あげくは「本紙で顔写真をお見せできないのが残念です」とまで侮辱した。

 明らかに、人権侵害であり、女性蔑視に他なりません。宗門の面目を守るため、法主の醜態を30年間も黙秘したクロウ夫人。その「恩」を罵詈罵倒の「仇」で返して平気な日顕法主ら宗門。かかる不知恩、冷酷無比な体質こそ現日顕宗門の本質なのです。窮乏を極めた宗門を救い、物心ともに膨大な貢献をした創価学会を、一度の対話すら持たず謀略で破門したのも、同じ非人間的な体質のなせる業でありましょう。