新・改革通信 98号 (2009.03.24)”死ぬに死ねない”日顕の事情(三)。 「血脈信仰」を自ら破壊した日顕のせいで、本山の存在価値は下がり、日顕の 死後、新たな離脱が起こる?
電機業界では世界同時不況により、各社の業績は急速に悪化。ある大手企業は、三月期は営業損益が二千八百億円の赤字となる見通しである。
昨年末、ある男性は、寮も追い出され、東京に出て安いホテルなどを転々としながら仕事を探したが見つからない。所持金もなくなり、自殺しようと、富士山のふもと、青木ケ原樹海へと入ったが死にきれず、警察に保護された。
「全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会」は、自殺者が多い樹海に、借金の相談を呼びかける看板を設置し、すでに多くの相談が寄せられているという。
これは他人ごとではない。このままいけば、宗門でも、登山や供養が檀徒の生活を圧迫し、生活苦に追い込まれる者が続出するかもしれない。
日顕にとって、一番の気がかりは、自分の死後である。前号で述べた通り、「相承箱」の問題や後継者の問題が、日顕を死ぬに死ねない状況に追い込んでいる。
まず、信彰以外の者が次期法主になった場合、自分の死後、その法主が宗門の衰退の原因を日顕のせいにして、六十七世・日顕を歴代から削除する可能性が大である。
また、信彰が法主になったとしても、日顕の死後、「相承箱」を持つ者が名乗りをあげ、その者に宗門の主導権を握られる可能性がある。最悪の場合は、”日顕は相承を受けていない”と裁定され、六十七世も六十八世も帳消しとなり、再度、正統・六十七世が就任することも充分考えられる。
日顕は、本門の戒壇たるべき正本堂を破壊し、大御本尊を偽物扱いした。また、初の海外渡航での不埒な所業で、宗門の尊厳を損なった。”こんな人間が受けたという血脈に、如何ほどの価値があるのか”と誰もが思っている。
今までの宗門では、「離脱」などということは誰も考えたことがなかった。いわゆる「血脈信仰」から言えば、宗門を離脱することは、自ら血脈を断ずる自殺行為と考えられていたからである。
ところが、平成になって、日顕の「C作戦」という謀略が発覚し、多くの寺院・僧侶が、日顕を糺すために、宗門を離脱して、創価学会と行動を共にした。
保田・妙本寺は、昭和三十二年に日蓮宗を離脱して、日蓮正宗に帰属した。当時の富士日照住職が、創価学会の勧めにより日蓮正宗への帰一を決意したのである。
しかし、鎌倉日櫻能化は、この日顕の問題で、平成七年に日蓮正宗からの独立を決行した。
この妙本寺の離脱は宗門に衝撃を与えた。なぜなら、改革同盟等とは別な、”宗門からの独立”という第三の路線が出来たからである。
そして、宗門が恐れていた通りに、この第三の路線を選んだ寺院が出てきた。それが、千葉・報恩寺であった。報恩寺の笠松住職は、宗門の「ノルマ地獄」と「法主独裁」を批判して離脱し、独自に活動をしている。
本山から離れたら地獄だ”などという脅し文句も効力がない。
いくら「日蓮正宗」という看板を掲げていても、檀家が増える保証はない。それどころか、無理なノルマを押し付けられ、上納金まで取られる。そして、いつ左遷されるかも分からない。
こんな不満が、日顕の死後、爆発し、墓地などをもっている寺が自分たちの財産や地位を守るために、独立する可能性は高い。
他宗派では実際にそういう動きが始まっており、一定の収入基盤を持つ寺院が単立化し始めている。
そして、日顕が「血脈信仰」を破壊したために、いよいよ宗門でも同じことが起こるかもしれない。すべては日顕の責任である。(編集部)