新・改革通信 NO.78 (2007.12.21) 日蓮正宗の「再生」の道を放棄した日顕の大罪!創価学会出現以前の宗門は、「死に体」だった(二) [日蓮正宗改革同盟]

 歴史には、常に事実があらわれる。その事実を知ることにより、私たちは、宗門が自分たちの都合に合わせて作っている「迷信」を看破することができる。

 前号で、日顕が信徒に知られることを恐れていた、「日盛法主失踪事件」に触れたが、故・河辺慈篤も日盛法主関連の資料を持っていたと言われている。

 そして、それは「相承」にも関係するものであったという。だから、日顕は河辺がその資料を公開するのではないかと恐れていたというのだ。

 その内容は『日霑上人伝』からも読み取ることができる。

法主が相承せずに失踪。僧俗会議で法主を選出
 まず、『日霑上人伝』には「其の年十二月大衆檀徒等、学頭広道院を大坊へ請待す 五十三世日盛上人是なり」と、日盛法主が大衆檀徒等により、法主として選出されたと受けとめられる記述がある。

 また、同伝には、日盛法主が失踪して、日英法主が再度登座した時のことを、「盛師の還住歟然なくば英師の御再住あらん事を只管に懇望す 是に於いて衆檀会議の上、英師御再住の事に決し予を迎ふ」と説明している。

 これは”日霑法主が、日盛法主が猊座に戻るか、もしくは日英法主が再び登座するように強く望んだが、衆檀会議で日英法主が再び登座することに決まった”ということである。ここでも「衆檀会議」すなわち、僧俗会議で次期法主が決められたことが明記されている。

 また、本来であれば、六月に、日盛法主の「代替り法要」が執り行われる予定であったが、日盛法主は五月に失踪してしまった。すなわち、日盛法主は、「代替り法要」も経験せず、また、誰にも相承することなく退座した法主になる。

 宗門では血脈相承を「唯授一人」と言っているが、史実を見れば、僧俗の会議で法主を選んだ場合もあるし、選挙で法主を選出した時期もある。また、焼死した法主もいれば、相承もせずに失踪した法主もいるのだ。

 宗門は信徒が事実を知らないことをいいことに、自分たちに都合の良いことしか、教えない。しかし、そのような子供騙しが、いつまでも通じるはずがない。

 私たちは、一人でも多くの方が、正しい判断をできるように、あえて、宗門の「秘史」を公開している。

以前から「除歴」を恐れていた日顕
 日霑法主と日盛法主の確執は非常に深く、日顕はある僧侶に、「日霑上人は日盛上人を歴代から除けと怒っていた」と語っていたという。

 日顕にとってこれほど恐ろしい話はない。もし、このような相承の裏面史が世に出てしまえば、法主の権威が地に堕ちてしまう。何よりも、日霑法主が日盛法主を「除歴」したがっていたという史実も露になってしまう。

 事実、河辺はそのことを知っていたから、学会が破門された後、日顕について「将来、歴代からはずすしかない」と語ったのである。

派閥争いの中心人物であった日顕の父
一八六〇年代に表面化した日霑法主と日盛法主との間の確執はやがて、「蓮葉庵系」と「富士見庵系」との派閥の争いを生んでいった。

 この蓮葉庵とは、塔中坊の一つで開基は日霑法主である。富士見庵は、日英法主が隠居所として使っていた坊である。すなわち、「蓮葉庵系」は五十二世日霑法主の法系であり、「富士見庵系」は五十一世日英法主と五十三世日盛法主の法系である。

 日顕の父親の阿部法運(六十世日開)は蓮葉庵系であった。そして、その阿部と法主の座を争った有元広賀は富士見庵系である。

 この時に有元派は「有元推薦人一同」の名で『聲明書』を出しているが、そこに有元を推す理由について「蓮葉庵系の人は、四代も續いて猊坐に上つてゐるのに、富士見庵系の方は、一人も出ない、イナ出さないのであります。故に今度有元師を出し、次に阿部師を出したならば、所謂謙譲の美徳を表現することになるからであります」とある。

 この「四代も續いて」というのは、五十六世日応法主、五十七世日正法主、五十八世日柱法主、五十九世日亨法主のことである。だから、有元派としては、今回は富士見庵系の有元に猊座を渡せ、と言っている。まるで政治の世界である。

 これに対して蓮葉庵系の阿部派は『辨駁書』を出し、「蓮葉庵系がどうの富士見庵系がどうのと淺見を振りまかぬがよからう、英師系の榮へたのも霑師系の榮へたのも時と努力である、(中略)要するに吾々は宗門統治の上に於て系統の消長を論ずべきものではない、只時の大勢次第で宗門の治まり方を考へね(ば)ならぬものと思ふ」と反論している。

 いかにも、善人ぶった言い方であるが、当時の事情を知る者から見れば、この阿部派の言い分は笑止千万だった。なぜなら、五十八世日柱法主を猊座から引きずり降ろした黒幕こそ、阿部だったからである。

 そして、この「日柱法主追い落とし事件」ほど、宗門の血脈神話を崩壊させたものはない。何も知らないであろう、宗門の所化たちのためにも、引き続き、宗門史の裏を明らかにしていく。(続く)

前へ<< >>次へ

>>新・改革通信 目次へ
>>トップページへ