日蓮正宗問題研究2 – 『C作戦』の真相・底流(3)宗規改正に名を借りた突然の総講頭解任劇
宗門が、「お尋ね」文書を創価学会に送付したのは、平成2年12月16日でありました。しかし先に見てきたように、この「お尋ね」文書自体、池田名誉会長の発言の改ざんや、不確かな伝聞、憶測に基づくもので、およそ公式文書としての価値はすでに失われたものでした。しかし、あくまでも道義と信頼の上に立って関係修復を望み、話し合いを求め続けた学会側に対し、宗門側は何故か、かたくなに話し合いを拒み、強靭な対決姿勢を崩さなかったのです。そして、平成2年の暮れも押し詰まった12月27日、宗門は臨時宗会を開いた結果として、突然池田名誉会長の「法華講総講頭」解任劇の通知書を、28日付で学会本部宛に送りつけたのであります。
この「法華講総講頭」とは、日顕法主が就任を要請した日連正宗の全信徒代表の立場であり、それを、さしたる根拠もなく、一片の通知書で解任するとは、世の常識からは全く考えられぬ暴挙でありました。
名誉会長の総講頭解任は、表向きは、単に日連正宗の規制である「宗規」改正にともなう措置として発表されました。すなわち、それまで総講頭職には、任期が定められていなかったが、その任期を規定する改正を行い、「付則」として「この宗規変更にともない、従前法華講本部役員の職にあった者は、その資格を失なう」とされたのです。(資料1)
しかし、実際には、宗門が出した「お尋ね」に対し、学会が謝罪しなかったことによる制裁だったと、だれもが思いました。ですが、これとて、先に指摘した通り、「公式文書」としての価値を失っていた「お尋ね」に、回答しなかった、謝罪がなかった、ということが、制裁の根拠になり得るのかという問題があり、宗門の措置は、あまりに独りよがりで、世の常識から掛け離れた理不尽極まるものだったと言わざるを得ないのです。
更に本質的には、宗門は、もともと学会を切り捨てるという『C作戦』に則ってこの「お尋ね」文書を出したのであり、どのような理屈をつけようと、極めて意図的な策略であったことは明らかなのであります。『C作戦』文書の「第二階段」にある「池田名誉会長の総講頭職からの解任」を、そのまま実行に移したものに他ならなかったのです。(資料2)
平成2年12月27日の第130臨時宗会において議決された日連正宗宗規の一部改正の内容は以下の通り。(抜粋)
日連正宗宗規一部改正条項
(註)一、改正または新規加入された条目のみを記載し、その改正、加入部分に傍線を付した。
池田名誉会長の総講頭解任は、日顕法主らが画策した謀略『創価学会分離作戦=C作戦』で練られていた通りの企みであった。
『創価学会分離作戦(C作戦)』より抜粋。
<目 的>
この計画作戦の目的とするところは、池田名誉会長を総講頭から解任し、日蓮正宗は創価学会とは無縁の宗教団体であることを一般世間に公表し、創価学会組織の徹底壊滅を図り、もって純粋なる信仰に基づく金甌無欠の組織の編成を目的とする。
<作戦次第>
第一段階
(平成2年8月28日、臨時宗会において議決する。)
必要なる宗規の改正。[ 第158条、第223条、第226条、第227条、第228条等]
第二段階
(平成2年8月13日、連絡会議の席上で通告する。同日、宗務院の指示により、全国末寺御講において、三宝の権威の称揚と信徒の三宝帰依の義務を内容とする統一法話の実施。)
池田名誉会長の総講頭からの解任ならびに創価学会幹部への通告。
- 日蓮正宗管長名の免辞令の発行。(手渡し。即日、請け書提出。)
口上書(案)「貴殿におかれては、長年にわたり法華講総講の要職を務められ、まことにご苦労様でございました。本年、開創700年にあたり、新時代の広宣流布は新体制のもと、新たなる前進を開始したいと思います。ここに御書一部を贈呈し、感謝の意といたします」