日蓮正宗問題研究1 – 法主の謀略『C作戦』
(2)宗内で立案された「創価学会分離作戦(=C作戦)」の全文

<目 的>
 この計画作戦の目的とするところは、池田名誉会長を総講頭から解任し、日蓮正宗は創価学会とは無縁の宗教団体であることを一般世間に公表し、創価学会組織の徹底壊滅を図り、もって純粋なる信仰に基づく金甌無欠の組織の編成を目的とする。

<作戦次第>
第一段階
 (平成2年8月28日、臨時宗会において議決する。)
必要なる宗規の改正。[ 第158条、第223条、第226条、第227条、第228条等]

第二段階
 (平成2年8月13日、連絡会議の席上で通告する。同日、宗務院の指示により、全国末寺御講において、三宝の権威の称揚と信徒の三宝帰依の義務を内容とする統一法話の実施。)
池田名誉会長の総講頭からの解任ならびに創価学会幹部への通告。

日蓮正宗管長名の免辞令の発行。(手渡し。即日、請け書提出。)
口上書(案)
 「貴殿におかれては、長年にわたり法華講総講の要職を務められ、まことにご苦労様でございました。本年、開創700年にあたり、新時代の広宣流布は新体制のもと、新たなる前進を開始したいと思います。ここに御書一部を贈呈し、感謝の意といたします」

創価学会最高幹部への通告。[秋谷栄之助会長および森田一哉理事長宛]
(手渡し。回答期限:8月20日正午。)
通告書に盛り込むべき内容(案)
[できるだけ創価学会が受け入れがたい内容とすることが望ましい。]

 「このたび、御法主日顕上人猊下におかせられては、総本山大石寺開創700年を迎え、新体制のもと新たなる広宣流布の前進を開始したいとの決意を表明されました」
 「そして、池田名誉会長には、法華講総講頭を勇退していただきました」
 「今後、創価学会においては、日蓮正宗の外護団体として宗教法人創価学会の規則に忠実に従い、会長および理事長を中心として、宗門と一体になって会の運営をしていただきたいと存じます」
 「今後、池田大作氏は、名誉会長の称号のみの立場の人となっていただき、」宗門から教導を求めないかぎり、自宅にて待機願います」
 「池田大作氏に対する給料については、従来通り、支払ってよろしい」
 「第一庶務は、解散することを命じます」
 「創価学会の法人責任役員の過半数を、日蓮正宗管長の指名する僧侶が占めることを命じます」
 「聖教新聞等の学会発行の新聞・雑誌には、今後一切、池田名誉会長に関する記事を掲載することを禁止します」
 「創価学会の中央会議、本部幹部会等の主要会議には、必ず宗務役職員の出席を願い出ることを命じます」
 「各都道府県ごとに、宗創一体となる連絡会議を、月一回、必ず開催することを命じます」
 海外組織については、宗務院海外部の直接指示に従うよう命じます。
◎ この時点で、学会側が全面的に宗門からの通告を受け入れるならば、当作戦は完了・終結する。しかし、学会側が上記通告をすなおに受け入れる可能性はほとんどない。また、学会側が部分的に受け入れたとしても、それは宗門として納得できないものであろう。ゆえに、宗門としては、次の段階に進まざるをえない。

第三段階
 8月29日正午、宗務院内に仮称『緊急時局対策本部』を設置し、日蓮正宗管長による事態終結宣言の日まで、宗務院の一切の権限ならびに作戦指示の一切の権限を当本部に委譲せしめる。
 日蓮正宗管長名により、宗内一般に対し、また創価学会に対し、「創価学会は日蓮正宗とは無関係・無縁の団体である」と宣言する。さらに、同日、宗務院において記者会見を開き、テレビ・ラジオを通して日本国民一般に対して宗門の」立場の正当性を訴える。
 創価学会員には、本人の意思を尊重し、自由に、宗門あるいは学会のいずれをとるか選択させる。宗門を選択した場合、各末寺に信徒名簿を提出させるとともに、学会へ脱会届を提出させる。(宗務院作成の規定書類を使用。)
 以上の経過を日本国民一般に説明する声明書を、日蓮正宗管長名により、朝日・読売・毎日・サンケイの4新聞の全国紙面1ページに3日間連続(9月2日・9月3日・9月4日)で掲載する。(掲載費用:1億2千万円。これにより、ほとんどの[推定:10万~20万]が各末寺に信徒登録のために殺到するはずである。)
 事態の[攻撃開始後1~2年(?)]を待って、寺院に所属する元学会員信徒を組織化し、地区単位の連絡網を完備し、日本全土におよぶ連合会組織を作り上げる。
 海外組織については、国単位で、宗門側につくか学会側につくか選択させ、海外部が直接、掌握・管理・指導する。
 C作戦遂行に際して考えなければならない事項
日本および海外における学会員(公称約1,000万人、実質150万人~200万人)の80%~90%、すなわち120万人~180万人の学会員の、宗門および御法主上人猊下に対する不当な激怒・怨念・憎悪の人心を、マスコミ等の手段を使って、沈静させること。
 法治国家とはいえ、犯罪実行以前に、宗教的怨念に燃えた狂人として牢獄に閉じ込めることは認められないゆえ、かなりの数の末寺(あるいは本山)の住職・寺族に狂人学会員に暴行・殺害される殉教者が出ることが予想される。また、猊下および宗門役職員ほど、狂人学会員のターゲットになりやすいので、長期にわたり警護に万全を期さなければならない。
信心の弱い学会員、理性によって判断できない類いの学会員の中には、ノイローゼ状態に陥り、自殺・一家心中等の不幸が起きる可能性がある。また、この種の事件の報道等により、一般社会人に、宗門と学会の宗教抗争に対する疑問・不審と怒りが生ずる。
 宗門において現在進行中の訴訟の学会顧問弁護団が全員引き上げてしまい、そのままでは、宗門の訴訟が敗訴となる可能性が強い。
 創価大学から来ている富士学林大学科の教授たちは、全員引き上げてしまう。また、末寺住職をしている教授は寺院法務等に忙殺されるので、事態が沈静するまで大学科授業を停止せざるをえない。大学科は一人も卒業生を出せなくなる可能性が大である。
 末寺において現在進行中の本堂・庫裡の新築・改築等の工事を一時的に停止しなければならない。墓地造成についても同様。
 寺院建設から末寺が借りた資金の返済ができなくなる。
 末寺における学会員の寺院総代により、末寺の運営および会計がすべて停止される可能性がある。寺院規則の改正を早急に行う必要がある。 以上
(解説)
 この「C作戦」文書の全文は、宗内の筋から流出したもの。同作戦は、宗務院海外部の関快道主任(現在は免職)が立案し、部下であった海外部書記の福田毅道に命じてワープロに打たせたものとされている。これは問題勃発直後の平成3年1月2日に、福田がSGI事務局の職員にFAX送信した「私信」のなかで「昨年7月末に頓挫したC作戦の案文を夜間1人切りでワープロで清書しつつ、この海外部の事務室で1時間以上、涙を流し、泣きました」などと記していることからも明らかである。また、この「C作戦」文書の存在を知っていたとする複数の僧侶の証言もあり、宗内では同文書の存在は常識となっているが、日顕法主は、いまだに宗内に対して″あれは学会の策謀だ″などと言い訳を繰り返している。


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